小さな灯り

誰にも知られないまま

愛鳥が亡くなって一年。老鳥との暮らし

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長年一緒に暮らしてきた愛鳥がこの世を去って一年が経ちました。

まだ故郷に住んでいた頃、ホームセンターのペット売場で寒そうにヒーターの下にうずくまっていた子をお迎えして挿絵から育てました。

初めて飛べるようになって手に飛んできてくれたこと、初めて水浴びした日のこと。

今でも鮮明に覚えています。

 

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2009年、まだヒナの頃。

 

転勤で何度か転居しても特に大きな病気にもならず長生きしてくれて、知らない土地での生活の不安、孤独... 辛いも時ずっと心の支えになってくれていました。

小鳥を飼っている方なら分かると思うのですが、あんなに小さくても本当に賢くて、長く一緒に生活していると人間の言葉も生活習慣も理解するし、いつも放鳥の時間になると「ピピッピピッ」(時間だよー!)ってよく鳴いていたことを思い出します。

 

 

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昔はものすごくパワフルであちこち飛び回って穴をのぞきに行っては巣になりそうな場所を探したり、すぐキレて怒ったり喜んだり。

 

8歳くらいからは寝ている時間が多くなってきて、10歳くらいから白内障になって目が見えなくなってしまったけれど...

それでも餌をたくさん食べて元気でいてくれて、目が見えなくなっても毎日ケージから出るのを楽しみにしていました。

 

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8歳の頃。

 

元気だからと、ずっと同じ日が続くんだと、私は勝手に思っていました。

 

そんなある日、羽が一枚落ちて換羽が始まり、背中にくちばしを突っ込んで眠る日が続きました。

(ケージはアクリルケースに入れ、冬の保温には横にパネルヒーター、下にピタリというシートのヒーターを使っていました)

亡くなる前日の夜、なぜか突然大きな声で鳴きました。

体調が悪そうだったので早く良くなるよう「もう寝ようね」といつも通りケージにカバーをかけました。

 

明日になれば、いつものようにきっと元気になってくれる。

 

ここ2、3年は足のグリップが弱くなっていたので、落ちても大丈夫なように止まり木は床に着くほど低くしていましたが、朝起きて様子を見に行くと私の姿を見た後、力が抜けたように止まり木から崩れ落ちて...

どうしていいか分からず、慌てて手のひらに乗せた時には静かに目を閉じてしまいました。

 

まさかこんなに早く死んでしまうなど考えていなくて、突然の死を受け入れられずにいました。

 

いつも車で通る道に葬儀場があって「永久のお別れはここで。永遠の想い出に変わります」と壁に書いてあるのを見るたび、もう二度と会えないと思うと悲しくて涙が止まりませんでした。

 

夜眠れずに、動画配信で海外ドラマの「24」を何となく毎晩見続けていました。
主人公ジャックの周りの人や大切な人たちが次々に死んでしまう。

人の死をたくさん観ることによって変な話ですが癒されました。人間だってこんな簡単に死んでしまう、死は人にも動物にもみんな平等に訪れるんだと、自分に言い聞かせて乗り越えたかったんだと思います。

 

突然旅立ってしまったんじゃない。

コキンチョウ11歳という年齢から「その日」はいつ来てもおかしくなかったし、たとえ年老いていなくても、生きているものに死はいつ訪れるかなんて分からない。

 

なのに亡くなってしまってから、

「もっとできることがあったんじゃないか」

「こんなことになるなら前の日にもっと長い時間一緒にいてあげれば良かった」

「私はあの子にちゃんと寄り添うことができていたのだろうか」

後悔ばかりになってしまって...

 

必要なのは少しでも後悔を減らすための知識と心構えだったんだと思います。

この本の存在は前から何となく知ってはいたのですが、いつか必ず来るお別れを考えたくなくて読んでいませんでした。

 

現在もう一羽9歳になるダイヤモンドフィンチがいるので、改めて老鳥との暮らし方を考えてみようと思い購入しました。

 

 

もう、最初の写真のページで泣けました。

老鳥との暮らし方、お世話の仕方、病気、老鳥と接する飼い主の心の在り方や鳥の気持ちまで書かれていて、ここは同じようにやってきたというのもあれば、これは知らなかったという情報もありました。

現代は飼育の情報や餌、ヒーターなどの道具の向上で、小鳥が長生き出来る環境が整っていると言えます。

しかし今までの小鳥の飼育書には、老鳥になった時どうするのか、どう看取るのかを書かれた本はありませんでしたので、老鳥だけじゃなく若い鳥を飼っている方も読んでおいて損のない本だと思いました。

 

私はまだ未読ですが、この作者さんは「うちの鳥の老いじたく」の後こんな本も出しています。

老鳥リハビリ編

 

 

鳥さん長生き編